<145>ガウディと万博、ガウディとバルセロナ

1888 Barcelona
カサ・バトリョ 夜 photo©️Kyushima Nobuaki

1888年バルセロナ万博におけるガウディの別のプロジェクト

<144>でご紹介した1888年バルセロナ万博の際にアントニ・ガウディ(1852~1926)が設計した大噴水「カスカーダ・モニュメンタル(Cascada Monumental)」

「カスカーダ・モニュメンタル(Cascada Monumental)」
手前に4体のドラゴンがみとめられる
photo©️Kyushima Nobuaki

さて、じつは1888年バルセロナ万博におけるガウディの仕事はこの大噴水だけではなかった。

1888年といえば、じつはグエル邸建設中の時期であった。

このエウセビオ・グエル(1846~1918)とガウディをむすびつけたのも万博、しかもフランス・パリで開催された1878年パリ万博だった。

この話は、

<24>ガウディと万博 ー「ガウディとサグラダ・ファミリア展」(東京国立近代美術館)

でご紹介した。

さて、1888年バルセロナ万博で、ガウディは、このエウセビオ・グエルの義父であったコミーリャス候爵(アントニオ・ロペス)が経営する会社、「大西洋横断社」(トラスアトランティカ社)のパビリオン建設を手がけた。

これは、前年のカディス海洋博に出展したパビリオンを改装するという仕事であったが、ガウディはこれをアルハンブラ宮殿風に改造し、評判を得たという。

これもこのシウタデリャ公園の中で展開されたものだったのである。

バルセロナにちりばめられているガウディの作品群

さて、バルセロナにはガウディの作品が多数残っている。
今回のバルセロナ視察の機会にそれらを回ってみた。

1. サグラダ・ファミリア

なんといっても有名なのがサグラダ・ファミリアであろう。
これについても<24>で紹介したが、この未完の建物を見るために世界中から人々が訪れている。

サグラダ・ファミリア
photo©️Kyushima Nobuaki

筆者が初めてこのサグラダ・ファミリアに行ったのは35年前くらいになると思うが、当時はここまで観光地化されておらず、工事現場の横を通りながら入らせてもらう、という感じだった。

塔もたしか4本しか建っておらず、その一つにせまい螺旋階段でのぼった記憶がある。

今回はなんとエレベーターで上までのぼることができた。
観光客も多く、以前に比べると中の空間も新しい。

サグラダ・ファミリア
photo©️Kyushima Nobuaki

サグラダ・ファミリア
photo©️Kyushima Nobuaki

完成は来年2026年(ガウディ没後100周年)といわれているが、コロナの影響等もあり2030年頃という説も強い。
果たしてどうなるだろう。

2. グエル公園

発注主は名前の通りエウセビ・グエル。
1984年にユネスコ世界遺産に登録されている。

グエル公園
photo©️Kyushima Nobuaki

グエル公園
photo©️Kyushima Nobuaki

グエル公園
photo©️Kyushima Nobuaki

グエル公園
photo©️Kyushima Nobuaki

グエル公園
photo©️Kyushima Nobuaki

グエル公園
photo©️Kyushima Nobuaki

グエル公園
photo©️Kyushima Nobuaki

3. カサ・バトリョ(Casa Batlló)

2005年、「アントニ・ガウディの作品群」としてユネスコ世界遺産に登録された。
バルコニーのデザインは不気味なマスクを思わせる。

カサ・バトリョ
photo©️Kyushima Nobuaki

カサ・バトリョ 夜
photo©️Kyushima Nobuaki

カサ・バトリョ 夜
photo©️Kyushima Nobuaki

4. カサ・ミラ(Casa Milà)

1984年、「アントニ・ガウディの作品群」としてユネスコ世界遺産に登録されている。
カサ・バトリョと同じくバルセロナのグラシア通りに面しており(通りの反対側)、カサ・バトリョとは近くに位置している。

カサ・ミラ
photo©️Kyushima Nobuaki

カサ・ミラ
photo©️Kyushima Nobuaki

カサ・ミラ
photo©️Kyushima Nobuaki

バルセロナにはこのほかにもグエル邸などいくつかのガウディ作品が残っている。

万博でそのキャリアへの道をつかんだガウディ。
その作品の多くを見ることができるバルセロナは、万博の歴史を語る上で必見の都市といえるだろう。

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