三菱一号館美術館「ルノワール×セザンヌ モダンを拓いた2人の巨匠」展
今、東京の三菱一号館美術館にて、「ルノワール×セザンヌ モダンを拓いた2人の巨匠」展が開催中である。
開催期間:2025年5月29日〜9月7日
これは、オランジュリー美術館、オルセー美術館のコレクションによる展覧会であり、その展示されている作品群は充実しており大変に楽しめる。
さて、このオランジュリー美術館、オルセー美術館といえば、言わずと知れたパリを代表する美術館のなかの2つであり、今回の万博関連のヨーロッパ視察でも外せないスポットであった。
パリのオランジュリー美術館の歴史
その中で、今回からは、オランジュリー美術館への訪問についてご紹介しよう。
オランジュリー美術館は、パリのチュイルリー公園内にある歴史的な建造物を活用した美術館である。

オランジュリー美術館外観
photo©️Kyushima Nobuaki

オランジュリー美術館外観
photo©️Kyushima Nobuaki
もともとはナポレオン3世の指示で1853年に建てられた巨大なオレンジの温室だった。
この温室は冬の間にチュイルリー宮殿の庭園にある柑橘類の木を保護するために使われており、これが「オランジュリー(オレンジ温室、オレンジハウスの意)」という美術館の名前の由来となっている。
ナポレオン3世が導入したメダル制度
このナポレオン3世という人物はパリで初めて開催された1855年パリ万博、ならびに第2回目となる1867年パリ万博を主導した人物であり、また、オスマン県知事とともに19世紀の「パリ大改造」を実行した人物でもあった。
さらに、万博に金、銀、銅のメダルによる褒賞制度を導入した人物でもある。万博によっては金メダルの上にさらに「グランプリ」が設けられた。
1855年パリ万博でも「グランプリ」が設けられ、楽器サクソフォーンを出品したアドルフ・サックス、銀食器を出展したクリストフル、全部で953点ものガラス作品を出展したバカラなどがグランプリを受賞しているのである。
メダル制度については、
でもご紹介しているので、こちらもご参照いただきたい。
オランジュリー美術館のその後については次回<166>で引き続きご紹介していきたい。