<201>「ルネ・ラリック展」の『泉の精タリア』

1925 Paris Expo
ルネ・ラリック『泉の精タリア』 photo©️Kyushima Nobuaki

金沢の国立工芸館で開催中の「ルネ・ラリック展」

国立工芸館「ルネ・ラリック展」サイン(内部)
photo©️Kyushima Nobuaki

今回はルネ・ラリックの数々の名品が展示されている。

その中で筆者の目を引いたのはやはり、この作品だった。

『泉の精タリア』

これと類似する作品「泉の精ガラテ」については

<175>「アール・デコとモード」展とアール・デコ博覧会

でご紹介した。

そこから関連部分を引用してみよう。

ルネ・ラリック「アール・ヌーヴォー」「アール・デコ」両方の時代を生きた芸術家である。
1900年パリ万博では宝飾品などを出展していた。
そしてこの1925年アール・デコ博ではラリックのために一つのパビリオンが与えられた。
ラリックは、アンヴァリッド会場の中に「ラリック館」を出展し、その前の広場にはラリックの噴水「フランスの泉」(La Fontaine des Sources de France)も設置した。
この「フランスの泉」は、写真が残っているが、15層になっているブロックのようなところのそれぞれから斜め下に向かって同時に水が飛び出している。
構造はアール・デコ様式の八角形のオベリスクを模したもので、高さは15メートル。
夜間は内部照明が施され、水しぶきが蜘蛛の糸のように長く見えるように設計されていた。
この像「泉の精ガラテ」は、「フランスの泉」を構成した128体のオブジェのひとつと同型のガラスの像、ということである。
この128体の女性小立像には16種類の異なるモデルがあったが、『泉の精ガラテ』はその一つであった。
16種類のほとんどがニンフ(精霊)の名前を付けられていたが、この「ガラテ」もそうであった。
「ガラテ」は海神ネーレウスの50人の娘の一人であるネーレーイス(Nereid)として知られており、彼女は海の底に住み、しばかに海面に出てきて踊りや歌を楽しむ、若く美しい女性の姿をした海の精、ということである。
手にホタテのような貝を持っているのが特徴となっている。
そしてこれら128体については、博覧会終了後、噴水が解体された際に回収され、他のモデルと同様に「泉の源 (Source de la Fontaine)」というシリーズ名で、木製台座付きで美術品として販売されたという。
この展示物はその一つなのである。

ということで、前回ご紹介したのが『泉の精ガラテ』であった。
今回は『泉の精タリア』ということになる。

上記の説明のように128体の女性小立像には16種類の異なるモデルがあった、ということだが、『泉の精タリア』もその1種類ということである。

同じ噴水に使われていたので同じように見えるが、『泉の精ガラテ』と比べてみると、たしかに髪型や手の位置、衣服のデザインなど明らかに違うものといえる。

ルネ・ラリック『泉の精タリア』
photo©️Kyushima Nobuaki

ルネ・ラリック『泉の精タリア』
photo©️Kyushima Nobuaki

ルネ・ラリック『泉の精タリア』
photo©️Kyushima Nobuaki

彫像「泉の精ガラテ」
ルネ・ラリック
photo©️Kyushima Nobuaki

1925年パリで開催されたアール・デコ博覧会から101年を経て金沢でこの作品を見るというのも感慨深い不思議な体験であった。

ミュシャ、ガレ、ドーム兄弟

ちなみにこの展覧会では、その他ラリックの作品に加え、アルフォンス・ミュシャサラ・ベルナールのポスター、エミール・ガレドーム兄弟の作品など多数展示されていた。

ルネ・ラリック『ブローチ 翼のある風の精』
photo©️Kyushima Nobuaki

ルネ・ラリック『花瓶 ランピオン』
photo©️Kyushima Nobuaki

ルネ・ラリック『カーマスコット 勝利の女神』
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ルネ・ラリック『花瓶 オラン』
photo©️Kyushima Nobuaki

ルネ・ラリック『花瓶 マーリン』
photo©️Kyushima Nobuaki

ルネ・ラリック『花瓶 つむじ風』
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エミール・ガレ『トンボ文杯』(右)と『闘う騎士文台付鉢』
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エミール・ガレ『草花文光色ガラスデカンタ』(右)と『ガーランド文脚付杯』
photo©️Kyushima Nobuaki

エミール・ガレ『獅子頭「日本の怪獣の頭」』photo©️Kyushima Nobuaki

エミール・ガレ『藤文花瓶』(右)と『オダマキ文花瓶』
photo©️Kyushima Nobuaki

ドーム兄弟『チューリップ文花瓶』
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ドーム兄弟『藻魚文花器』
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ドーム兄弟『春景文扁壺』
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ドーム兄弟『たばこの花文花瓶』
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ドーム兄弟『風雨樹林文円筒形花瓶』
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ドーム兄弟『風雨樹林文鉢』
photo©️Kyushima Nobuaki

アルフォンス・ミュシャ『民衆美術協会』

アルフォンス・ミュシャ『サラ・ベルナール』

アルフォンス・ミュシャ『サラ・ベルナール アメリカン・ツアー』

久しぶりにたいへん見どころのある展覧会をゆっくり観覧して非常に満足度の高い日であった。

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