<218>静嘉堂『元禄!師宣劇場』展と万博

1904 St. Louis
『元禄!師宣劇場』展入り口サイン photo©️Kyushima Nobuaki

「浮世絵の祖」菱川師宣

現在、東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館で、

元禄! 師宣劇場
十二ヶ月風俗図巻 大公開

という展覧会が開催されている。

開催期間は2026年6月27日〜8月23日。

『元禄!師宣劇場』展入り口サイン
photo©️Kyushima Nobuaki

『元禄!師宣劇場』展の様子。
真ん中は『見返り美人図』着用小袖
photo©️Kyushima Nobuaki

写真をとれるところが限られていたので、あまり写真でご案内できないが、
目玉としては、あの切手にもなった有名な菱川師宣『見返り美人図』(東京国立博物館)が7月12日まで展示されている。

また、『十二ヶ月風俗図巻』が前期(6月27日~7月26日)、後期(7月28日~8月23日)にわけて展示される。

『十二ヶ月風俗図巻』(部分)
photo©️Kyushima Nobuaki

『十二ヶ月風俗図巻』(部分)
photo©️Kyushima Nobuaki

『十二ヶ月風俗図巻』(部分)
photo©️Kyushima Nobuaki

『十二ヶ月風俗図巻』(部分)
photo©️Kyushima Nobuaki

菱川師宣(ひしかわ もろのぶ、1618年? – 1694年)といえば、一般に「浮世絵の祖」として広く知られる人物である。

美術プロデューサー 田島志一

菱川師宣の上記作品のほか、英一蝶尾形光琳の作品など多くの名品が展示されている。

その中で筆者の目を引いたのが、

田島志一編「光琳派画集 第五集」(1906)

というものである。

実はこの田島志一(1869-1920)という人物、1903年には美術専門出版社「審美書院」を創立し、美術のプロデューサーとして活躍した人物である。

特に1904年セントルイス万博では、光村利藻(みつむら としも)と彼が率いた光村印刷との協力で、京都・仁和寺が所蔵する国宝「孔雀明王像」を原寸・原色で再現した巨大な高級木版画を制作し出展した。

この木版画では数百回の版を重ねて摺りあげたという。

この作品は万博で高い評価をうけ、名誉金牌(グランプリ)を受賞することになる。

そのほかにも、1900年 パリ万博『真美大観』の初期巻を出品し、一等賞を受賞、とか1910年 日英博覧会で名誉大賞を受賞したという情報もあるが、現時点で確証のあるリソースにはたどりつけてはいない。

菱川師宣と万博

また、菱川師宣の作品についても、『四季(十二ヶ月)風俗図巻』1900年パリ万博に出展されたという情報もある。

筆者の調査だと今のところ確証はとれていないが、林忠正がプロデュースした1900年パリ万博での日本古美術展に、セットで『稿本日本帝国美術略史』をフランス語に翻訳した『Histoire de l’art du Japon(日本美術史)』という豪華本が配布・販売されたが、そこにはこの作品が載っているらしい。

また、今回の展覧会の後期に出展予定の菱川師宣『美人若衆図』1910年日英博覧会に出品されたこともわかっている。(三菱オフィシャルサイト

まだまだ調査が必要だが、一見万博と関係なさそうな展覧会でも、万博との関係は結構見つかるものなのであった。

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