<191>アーティゾン美術館で開催中の「モネ展」と1900年パリ万博

1900 Paris
アーティゾン美術館「モネ展」サイン photo©️Kyushima Nobuaki

現在開催中の「モネ展」

現在、オーストラリア編が続いている途中ではあるが、今回は、東京・アーティゾン美術館で開催中の「モネ展」と万博について紹介したい。

アーティゾン美術館「モネ展」サイン
photo©️Kyushima Nobuaki

「モネ展」の概要は下記の通りである。

クロード・モネ ー 風景への問いかけ
会期:2026年2月7日ー5月24日
会場:アーティゾン美術館
主催:公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館、オルセー美術館、日本経済新聞社、NHK

ということで、オルセー美術館からも名品が多数来日していた。

この美術展はモネ没後100年記念、ということでなかなか万博的にも見応えのある美術展となている。

クロード・モネ(1840-1926)といえば、印象派の巨匠であり、日本でも高い人気を誇る。

「モネ展」を開催すれば人が入る、ということで日本でも頻繁に「モネ展」は開催されている印象である。

しかし、その中でも今回の展覧会はモネの活動を概観でき、ジャポニスムなどいろんな観点から作品が選択されており、いろいろと足を運んだ「モネ展」の中で、久しぶりに当『万博亭日乗』でも取り上げてみたいと思ったものであった。

1900年パリ万博に出展された『舟』

まず、今回は、本展覧会出品作の中で、1900年パリ万博に出展された作品をご紹介したい。

クロード・モネ『舟』 拡大

それは、『舟』(Pleasure Boats,1872-73年、オルセー美術館)という作品である。

アルフレッド・シスレー『サン=ドニ島』(左)、カミーユ・ピサロ『ヴォワサンの村の入口』(中央)、クロード・モネ『舟』(右)
photo©️Kyushima Nobuaki

この作品は、同じ額のなかに、アルフレッド・シスレー(1839-1899)『サン=ドニ島』(1872、左)、カミーユ・ピサロ(1830-1903)『ヴォワサンの村の入口』(1872、中央)とともに右手に配置されている。

なかなか珍しい展示であるが、これはこの3人の画家が友人同士だったことが理由である。

ちなみに、この作品は1900年パリ万博で開催された「フランス絵画の回顧100年展(Exposition centennale de l’art français)」「100年展」<159>参照)に出展されたわけだが、当時はこのような3点セットで展示されたわけではなく、モネの作品として単品で展示されている。

これら3点の作品は、画家であり印象派の重要なパトロンでもあったギュスターヴ・カイユボット(1848-1894)のコレクションだった。

経済的に裕福だったカイユボットは、仲間の作品を購入することで、経済的に苦しんでいた彼らを支援していたのである。

その後、これら3点はまとめて銀行家で大蒐集家であったエルネスト・メイの所蔵となり、彼によって三連画(トリプティック)として額装され、1923年に国立美術館に寄贈されることになったのである。

 

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