<193>アーティゾン美術館「モネ展」と1878年パリ万博

1878 Paris
アルベール・バルトロメ 『林忠正の面』 photo©️Kyushima Nobuaki

『パリ、モントルグイユ街、1878年6月30日の祝日』

今回のアーティゾン美術館で開催中の「モネ展」では、睡蓮などの作品とはテイストの異なる一際目を引く作品が展示されている。

その作品は『パリ、モントルグイユ街、1878年6月30日の祝日』(1878年、オルセー美術館)である。

これは1878年5月20日から開催されていた第3回のパリ万博の成功を祝って祝日になった6月30日の、フランス国旗で満たされたパリの賑わいを描いたものである。

『パリ、モントルグイユ街、1878年6月30日の祝日』

この作品は、彼の友人でパトロンでもあったジョルジュ・ド・ベリオ医師によって購入された。

この作品はすでに始まっていたこの万博には展示されなかったが、ほぼ同じ構図の『サン=ドニ街、1878年6月30日の祝祭』とともに翌年の第4回印象派展に出品されている。

ちなみに、この作品『パリ、モントルグイユ街、1878年6月30日の祝日』は1996年に開催された

モデルニテ ー パリ・近代の誕生
オルセー美術館展

にも出展された。

この展覧会は筆者も深く関与したプロジェクトであり、このために何度もパリを訪れ、オルセー美術館の人たちとの交渉の場に立ち会った。

当時担当だったキューレーターのカロリーヌ・マチュー氏も数年前に亡くなってしまい寂しい限りである。

同じくキューレーターを務めていただいたマルク・バスク氏などと一緒にみんなで熱海の温泉に行ったのが懐かしい。

また、2005年愛知万博の準備プロジェクトのためにパリを訪れた際も、セーヌ河岸の築100年以上というカロリーヌ夫妻のアパルトマンに夕食にご招待いただいたのもいい思い出だ。

この展覧会は今、改めて図録を見ても、なかなか素晴らしい展覧会だった。

ちなみに、この「モデルニテ」展に出品され、今回のアーティゾン美術館の「モネ展」で「再来日」している作品は他にもある。

それらは下記の作品である。

クロード・モネ 『荷車、オンフルールの雪道』(1867年頃、オルセー美術館)

クロード・モネ『荷車、オンフルールの雪道』

クロード・モネ 『サン=ラザール駅』(1877年 オルセー美術館)

クロード・モネ『サン=ラザール駅』

クロード・モネ 『石炭の積み下ろし』(1875年頃 オルセー美術館)

クロード・モネ『石炭の積み下ろし』(1875年頃、オルセー美術館)

アルベール・バルトロメ 『林忠正の面』(1892年 オルセー美術館)

アルベール・バルトロメ 『林忠正の面』
photo©️Kyushima Nobuaki

林忠正といえば、林忠正は19世紀後半の複数回のパリ万博にゆかりの深い人物である。

1900年パリ万博の日本出展の事務官長を務めた人物でもある。

<93>アーティゾン美術館「空間と作品」展②

でも詳しくご紹介した。

そちらもぜひご参照いただきたい。

これら過去の「モデルニテ」展に出展されたオルセー美術館の作品たちの前にたたずむ時、30年前、万博の歴史に目を開かれた当時の自分が、それらの作品の前にいるような気がするのである。

(<194>に続く)

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