バルセロナのミロ美術館
<142>では現在、東京都美術館で開催中の「ミロ展」についてご紹介した。
そこでは、ミロと万博のかかわりや、展示されている作品の多くがバルセロナのミロ美術館を運営しているジュアン・ミロ財団からきていることもご紹介した。
また、<143>から<149>にかけては、1929~30年バルセロナ万博と、その会場だったモンジュイックの丘に残る万博ゆかりの施設についてご紹介してきた。
モンジュイックの丘に佇む真っ白なミロ美術館
そして、その同じモンジュイックの丘にたたずむのが、ミロ美術館である。

ミロ美術館 入り口付近
photo©️Kyushima Nobuaki
晴れた日にはバルセロナ特有の青い空に真っ白な建物がとてもよく映える。
筆者は過去何度か訪れているが、変わらぬたたずまいである。
この美術館は1975年に開館した。
設計はジュゼップ・ルイス・セルト(1902-1983)というスペイン・バルセロナ出身の建築家である。
彼は若い頃に、あのル・コルビュジエの下で働いていたこともある。

ミロ美術館 全体模型
photo©️Kyushima Nobuaki
今回は曇っていたので、残念ながらバルセロナの青い空と白いミロ美術館の美しい対比は味わうことができなかった。
また、<142>でご紹介したように、多くのメジャーな作品は日本に貸し出されていた。
しかし、その所蔵品は多く、今回展示されていた作品群だけでも十分に楽しむことができる。

ミロ美術館 展示風景
photo©️Kyushima Nobuaki

ミロ美術館 展示風景
photo©️Kyushima Nobuaki

ミロ美術館 展示風景
photo©️Kyushima Nobuaki

ミロ美術館 展示風景 ミロの写真
photo©️Kyushima Nobuaki

ミロ美術館 展示風景
photo©️Kyushima Nobuaki

ミロ美術館 展示風景
photo©️Kyushima Nobuaki

ミロ美術館 展示風景
photo©️Kyushima Nobuaki
『スペインを救え』
『スペインを救え』は現在東京に貸し出されていたが、その複製を見ることもできた。

ジュアン・ミロ『スペインを救え』
バルセロナ・ミロ財団にて複製画を撮影
この作品はフランコ政権に対する抗議という政治的な意味を持つ作品であった。
もともとはフランコ政権に対抗するスペイン共和国を支援する1フラン切手のデザインとして描かれた同作は、結局切手に使われることはなかったが、ポスターとなって1937年パリ万博のスペイン共和国館で発売されることになったものである。
広々とした屋上
また、広々とした屋上にはいくつかのミロ作品が展示されており、また、そこからはバルセロナの街並みを見ることができる。

ミロ美術館 展示風景(屋上)
photo©️Kyushima Nobuaki

ミロ美術館 屋上からの風景
手前の茶色い屋根の建物が「カタルーニャ考古学博物館」
photo©️Kyushima Nobuaki
「カタルーニャ考古学博物館」も見下ろすことができる。
万博ゆかりの地であるモンジュイックの丘に、これまた万博ゆかりの作家であるミロの美術館が存在する、というのも当然のことのように思えるのであった。