パリ・セーヌ川沿いにたつオルセー美術館
パリ・セーヌ川沿いに堂々とたち、年間300万人以上の来場者を集め続けるオルセー美術館。
この美術館はセーヌ川左岸、ロワイヤル橋とレオポール・セダール・サンゴール橋の間に位置する。
セーヌ川の対岸の斜め右の方にはルーヴル美術館も見える。

バトー・ムーシュからみたオルセー美術館
「大時計」も見える
photo©️Kyushima Nobuaki

バトー・ムーシュからみたオルセー美術館
photo©️Kyushima Nobuaki

オルセー美術館入り口付近
photo©️Kyushima Nobuaki
1900年パリ万博と「オルセー駅」
このフランスを代表する美術館の一つである美術館も1900年パリ万博を契機に設立された「オルレアン新駅」(オルレアン鉄道にできた新しい駅)が元になっている。
1900年パリ万博を契機にできたものといえば、過去何度がご紹介したとおり、「グラン・パレ」「プティ・パレ」、あるいは、1894年の露仏同盟の記念に、ロシア皇帝ニコライ2世の出席のもと定礎式のおこなわれた「アレクサンドル3世橋」があげられる。
そしてパリの「地下鉄1号線」も、この万博のために7月4日に開通した。
オルレアン鉄道に新しくできた「オルレアン新駅」も、万博に来場する人々のために設計されたものであった。
1986年12月1日に「オルセー美術館」に
この駅は、ヴィクトール・ラルー(Victor Laloux,1850-1937)というフランスの著名な建築家によって設計された。
内部にはガラス屋根を備え、当時としては革新的な鉄骨構造を用いているものである。

オルセー美術館内部のガラスの大屋根
photo©️Kyushima Nobuaki

オルセー駅の設計者にはヴィクトール・ラルーの名前も記されている。
photo©️Kyushima Nobuaki
この駅はその後「オルセー駅」と呼ばれるようになり、その後時を経て1986年12月1日、「オルセー美術館」として正式に美術館として開館した。
その後ずっと多くの来場者を集め続けているのである。

オルセー美術館の壁にあるサイン。
「フランソワ・ミッテラン大統領が1988年12月1日、オルセー美術館を開館しました」とある。
photo©️Kyushima Nobuaki
オルセー美術館に入ると、オルセー駅だった頃の名残も見ることができる。

オルセー駅の名残も残されている。
photo©️Kyushima Nobuaki
また、オルセー美術館の5階には、オルセー美術館のシンボルの一つである「大時計」の裏側にあるカフェ、「カフェ カンパナ(Le Café Campana)」もできた。

「カフェ カンパナ(Le Café Campana)」の内部の様子。
アール・ヌーヴォー基調のデザイン。
photo©️Kyushima Nobuaki

「カフェ カンパナ(Le Café Campana)」にある「大時計」の裏側
photo©️Kyushima Nobuaki

「カフェ カンパナ(Le Café Campana)」にある「大時計」の裏側
photo©️Kyushima Nobuaki
この「大時計」もオルセー駅時代からのものである。
じつはこの「カフェ・カンパナ」は比較的新しく、オープンは2023年11月20日。
ブラジル出身のカンパナ兄弟によるデザインであり、アール・ヌーヴォーの水中世界をモチーフにした内装となっている。
このようにオルセー美術館は、1900年万博当時と密接に繋がっているのである。
そして、その美術館に収蔵されている様々なアーティストの作品群も、万博に関連するものが多い。
それについては次回以降、ご紹介していくことにしたい。