箱根 彫刻の森美術館の「ピカソ館」
箱根 彫刻の森美術館で有名なのが「ピカソ館」である。

ピカソ館外観
photo©️Kyushima Nobuaki
ここでは「ピカソの原動力」(Picasso’s Driving Force)として、2025年6月29日から合計135点の作品が展示されている。
前回訪れたのが2025年12月だったので、同じ展示を見るのは2回目ということになる。
この展示はピカソの制作モチーフに焦点を当てた20の主題で構成されており、大型サイズの平面作品やタピストリー、「丸い顔」などの陶芸作品、そして、小中型の平面作品と小型の立体作品などが展示されている。

ピカソ館展示風景
photo©️Kyushima Nobuaki

ピカソ館展示風景
photo©️Kyushima Nobuaki

ピカソ館展示風景
photo©️Kyushima Nobuaki

ピカソ館展示風景
photo©️Kyushima Nobuaki
ここでも万博に関連する展示を認めることができる。
『ゲルニカ』のモチーフ
例えば、タピストリーの『ミノトーロマシー』(原版画1935年)は1937年パリ万博のスペイン共和国館のために制作された『ゲルニカ』のモチーフとなるものが多く含まれている。

パブロ・ピカソ『ミノトーロマシー』(タピストリー)
『フランコの夢と嘘 第1葉、第2葉』
そして、筆者が注目するのが、普通の人なら通り過ぎてしまうだろう、比較的小さなエッチング作品2点である。
それは、『フランコの夢と嘘 第1葉』(1937年1月8日)と、『フランコの夢と嘘 第2葉』(1937年1月8-9日、6月7日)である。

『フランコの夢と嘘 第1葉』

『フランコの夢と嘘 第2葉』
解説パネルには次のようにある。
1936年にスペイン内戦が勃発。この2枚組の版画は、反乱軍の指導者であったフランシスコ・フランコ将軍への批判であり、スペイン政府救援のために自筆の詩を添えて販売された。物語は画面の右上から左へと進み、フランコは醜悪で滑稽な怪物の姿で描かれ、非現実的でグロテスクな行為の主人公として告発されている。最後の4場面は1937年4月のゲルニカ空爆のあとに描かれた。
この作品は
でもご紹介した。
この作品と同じバージョンは2019年から2020年にかけて東京ステーションギャラリーなどで開催された「奇蹟の芸術都市 バルセロナ展」、そして、2022年にパナソニック汐留美術館などで開催された「イスラエル博物館所蔵 ピカソ-ひらめきの原点」展でも出展されていた。
この2作品は、あの『ゲルニカ』が発表された1937年パリ万博のスペイン共和国パビリオンで、複製や絵葉書として販売されたものだ。
アレクサンダー・カルダーの作品も
その『ゲルニカ』が展示された1937年パリ万博のスペイン共和国館。
『ゲルニカ』の前にはアレクサンダー・カルダー(1898-1976)の『水銀の泉』が展示されていた。
アメリカの彫刻家カルダーは、スペイン共和国政府から要請を受けて、唯一の外国人ゲストアーティストとして、フランコ軍に抵抗する意思を込めてスタビル『水銀の泉』を制作したのである。

『水銀の泉』の展示室にかけられた、1937年パリ万博スペイン共和国館における『ゲルニカ』、『水銀の泉』、アレクサンダー・カルダーの写真。
photo©️Kyushima Nobuaki
その作品は今もスペイン・バルセロナのミロ美術館に展示されている。
(<152>パリ万博で『ゲルニカ』の前に展示された『水銀の泉』参照)

隔離された部屋に展示されたアレクサンダー・カルダー『水銀の泉』
水銀が流れ、刻々とそのフォルムが変わっていく。
Alexander Calder “Font de mercuri (Mercury fountain)”
photo©️Kyushima Nobuaki
そして、そのカルダーの作品の動く彫刻「モビール」のシリーズである『赤い三角旗(The Red Pennants)』(1970)もこの箱根 彫刻の森美術館に展示されているのである。

アレクサンダー・カルダー『赤い三角旗(The Red Pennants)』


